アルフレッドージェントルマンな猫―
町の喧騒から離れたロンドンの⽚隅に、ある家族が⼀匹の猫とともに暮らしていま
した。猫は、⼥の⼦で、性格はのんびり気まま、ライラック⾊に近い、深いすみれ⾊とい
う珍しい⽑⾊をしていて、⽬はマーマレード⾊をしていました。⼦猫のときは活発でよく
はしゃぎ、まるで⾃分の⼦供のように猫を愛していた家族にとって、そのやんちゃな様⼦
を⾒るのはとてもしあわせな時間でした。そんなやんちゃな猫も、年頃になると美しく気
品のあふれる猫に成⻑し、家族はこの猫のパートナーにぴったりな、勇敢でハンサムな猫
を⾒つけてきました。
連れてこられた猫は、なんといっても育ちの良さで⽬を引きました。由緒正しい猫
の家系出⾝で、洗練されたマナーを⾝に着けていました。この猫は狩りが⼤好きで、獲物
を捕まえては、誇らしげに飼い主に⾒せに来るのでした。鉛筆の芯のような暗い⽑⾊をし
ており、その体の⼤きさと堂々とした⾝のこなしで、この猫が歩いてくると誰もが⼀⽬で
わかりました。ただし、少しばかりうぬぼれ屋という⽋点もあったのですが。
⼆匹の猫が仲良くなってから少しして、4匹のかわいい⼦猫が誕生しました・・・。
著者について
この本の著者ユリアナ・プロタソヴァは1981年にロシア・ヴォロネジ市に生まれました。子供時代から創作活動を楽しんでおり、絵画制作・詩及び劇の制作を好んで行っていました。しかし社会人になって以降は、積極的な創作活動にはいったん休止符をおき、以降趣味として楽しむようになりました。
しかし、2013年に創作活動を再開、ロンドンのインチボールドスクールオブデザインにてインテリアデザインを学んだ後、同業界で活躍を納めるようになります。それと同時に、描画や絵画作成、執筆といった創作活動にもより積極的に従事するようになりました。著者の創作意欲が、猫への深い愛情と相まって、子供向けの猫に関する絵本というかたちで実を結んだのが本作です。
この本ができるまで
著者は2014年に本作の構想を得ました。子供向けの本を書きたいと思う中で、その主人公を決めるのにそう長くはかかりませんでした。この時点で、趣味ではなく、本腰を入れて執筆活動にあたると著者は決めていました。
2018年11月、ついに構想は現実のものとなり、以後プロジェクトは順調に進行することとなります。著者のアイディアは、プロの水彩絵画アーティストにより挿絵のかたちでページの上に表れ、これらの挿絵はもとの作品をより豊かなものとし、まるで本に命が吹き込まれたようでした。
そしてついに2019年3月、本作が誕生しました。全体は5つの章で成り立っており、各章では、アルフレッドの冒険が展開されるとともに、読了後に子供と話し合える教育的洞察が示されています。本作は主に5歳から16歳の読者を対象としており、子供の中の動物への愛情を育むとともに、ペットに対する責任感を育てることを目的としています。第1章では、アルフレッドを含む4匹の子猫が誕生し、母猫の元を離れるまでの成長を描いています。第2章は、読者をアルフレッドの新しい家へと誘います。この章では、どのように子猫を迎え入れる準備を進めるべきか、そして子猫がどのようにして新しい環境に慣れていくかを学ぶことができます。第3章では、アルフレッドが初めて家の外の世界を体験します。読者は、猫の目線から見た自然との初めての出会いを、アルフレッドと共に体験することができます。第4章は、アルフレッドが他の猫と友達になる過程を通じ、動物同士の社会的な関わりを描きます。最終章は、子供とペットとの関わりがテーマとなっており、アルフレッドと小さな女の子と素敵な出会いを通じてこのテーマが描かれます。この本は、猫を飼う人にとって実用的な情報が多数含まれているとともに、ひとつの物語としてジーンと感動する、魔法のような瞬間もたくさん詰め込まれています。本作の売り上げの一部は、捨て猫の保護を請け負う機関への募金のために使われます。
主な登場人物
アルフレッドは2013年6月に、由緒正しい血統の猫として他の3匹の兄弟とともに、ロンドン郊外に生を受けました。その後、2013年9月に新しい家に引き取られました。
アルフレッドは非常に堂々した威厳のある猫ですが、同時にとても愛情深く賢い猫です。
まるで本物の英国紳士のように、狩りをしてはその獲物を家に持ち帰り、その態度はいつも自信に満ちています。
そんなアルフレッドの大好物はエビです。
アルフレッドは他の猫と違い、水や長距離の移動も怖がりませんが、一つだけ本当に怖いものがあります。それは動物病院に行くこと!
小さな読者からの感想
本作の主な読者は子供たちです。なので、子供からの感想は私たちにとってとても重要です。以下は実際に本作を読んだ子供たちから寄せられた感想です。
募金可能な機関
残念なことに、世の中には捨てられてしまった猫が多くいます。以下は、このような捨て猫を助けるための、世界中の様々な機関のウェブサイトです。御関心のある方はぜひこの機会に募金の検討をお願いいたします。
Animal Advocacy Japan: www.facebook.com/animaladvocacyjapan
Reading up on animal regulations: www.japaneselawtranslation.go.jp/law/detail/?id=61&vm=04&re=01